ごちゃごちゃした世界観の絵を描くコツと魅力【無心で楽しむ】

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こんにちは。画家の宮島啓輔です。

私の作品のタッチは、埋め尽くすように色々なものをごちゃごちゃと描くものが多いのですが、そんな作品を描いたり、観たりしている人にしかわからないようなマニアックすぎる良さがあると思うのです。

今回は、「ごちゃごちゃした世界観の絵を描くコツと魅力【無心で楽しむ】」の内容でいくつかの切り口から、お伝えしていきたいと思います。

ごちゃごちゃした世界観の魅力とは

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ごちゃごちゃとした世界観のアートには、観る人を引き付ける『鑑賞者側』の視点からの魅力と曼荼羅アートのように細かいパターンを無心になって描き込む過程を楽しむ『絵描き側』の視点からとの2種類の魅力があります。

観賞者視点では、迷路を解くように一度絵を眺めただけでは吸収しきれず、視点を移動させて何度でも新しく絵の中で発見をして楽しむ事ができます。

描く側にとっては、無心になって細部を描くプロセスや描いた部分の積み重ねを実感できたりと、何かを生み出して構築したという、アウトプットした満足感の感覚がより得られやすいのです。

無心になって描く事がポイント

ごちゃごちゃとした絵は、リアルに描き込むタイプのものだけというわけではありません。

ここでのリアルな絵とは、光の当たり方や、質感などに気を配りながら描く、デッサンなどの事です。

いくつかの記事で書いている事なのですが、絵を本格的に描こうとする時に、デッサンのようなリアルに描く技術が必ずしも必要なわけでは、ありません。

必要であれば、スキルとしてリアルに表現する技術を取り入れていくべきだとは思いますが、モノ作り的な楽しさや、ヘタウマと言われるような味のあるタッチなどを極めるところにのみ注力するというやり方でもとても素晴らしい可能性を持っています。

少し話がそれましたが、

ゼンタングルアートと呼ばれるペンや絵の具使って模様を描き連ねるメソッドや、オリジナルのタッチで複雑に描き込む等々、仮にリアルに描く技術が高くなかったとしても、見ごたえのある作品を描く事ができるのです。

ゼンタングルの語源は、Zen(禅)とTangle(絡まる)が合わさってできた造語と言われており、アメリカでリラクゼーション方法として取り入れられました。

禅の精神や、アートでメンタルを落ち着かせる心理療法など、人によって形は違えど、無心になって集中する事が良い効果を持っていると言う事は、絵や楽器などの趣味を持っている人は健康状態や人生の満足度に影響を与えるという論文が出ているほど、文化的な趣味が人に与えるメリットは大きいのです。

必ずしも、写実的に絵を描く技術が無いからといって、「自分には絵心がないから…」と思い込んでいても、自分の型にあった工夫や表現の仕方は存在するので描いていて落ち着いたり楽しめる描き方を探究するというのが大切です。

絵の趣味は比較的低価格で始められる

絵の趣味というと裕福なイメージを持つ方もいるかもしれませんが、意外にも絵は低コストで始められる趣味のひとつだと思っています。

もちろん画材屋さんに行くと価格の高い画材が並んでいますが、最初の入口部分はピンキリで、100円ショップのペンや絵の具でもそれなりのものは作れます。

本格的に絵を続けたいとなれば、少しずつ本格的な画材などを買い揃えて行く事もできます。

私がはじめてアクリル絵の具を買った時は、青色一色からはじめて少しずつ色々な色や他の画材にも手を伸ばしていくという感じでした。

何かを収集したり、維持費がかかるような趣味とは異なり、ペンと紙だけからでも始められて、描いたものは形になって残る等々、コスパの視点からみるだけでもかなりお得な趣味になりうると思います。

ごちゃごちゃした絵の効率的な細部を描き込みと全体のバランスを調整する方法

ごちゃごちゃした世界観を描く際には、ディテールを「エリアごと」に分けて配置すると全体のバランスが保たれやすくなります。

全体から描こうとすると、画面が大きければ大きいほど変化が起こりにくく、集中力の持続が難しくなりがちですが、密度の高いエリア(区画)を一歩ずつ積み重ねていく事で、アウトプットやこれまでの蓄積に満足感を感じつつ、余白のこれから描く部分に可能性を感じながら、ゲームを攻略していくような感覚で進めていく事ができます。

+αで、密度の高い部分をいくつかのエリアに分割しながら描き進め、途中、何回か離れてバランスを取りながら描く事で、画面全体が見やすくなり、鑑賞者の視線のコントロールも可能にすることもできます。

視線の誘導の一例

例えば、全体の画面の中にいくつか密度の高い部分を配置し、それぞれが【視線を集めるポイント】になったとすると、密度の高い部分の配置具合の調節によって、鑑賞者の目線の向かう方向をアニメーションのように誘導する事も、一つの画面の中で行う事ができます。

また、絵を描く中で、頻繁に離れて眺めて全体をみる事は、どんな絵を描いていたとしても、かなり効果がある上達方法です。

実際に描いてみると実感できる事なのですが、画面に近づいて描いている時の手元から見えている景色から数十㎝~数m離れて眺めてみると、全体的なバランスの見え方や構想の膨らみ具合に格段に差が出てきます。

俯瞰して眺めることは、すぐに効果が出る作品に磨きがかかる方法のひとつなので、是非行ってみてください。

最後に

今回は、「ごちゃごちゃした世界観の絵を描くコツと魅力【無心で楽しむ】」のテーマでいくつかの切り口から、その魅力やテクニックについてお伝えしてきました。

まだまだ、このテーマで書ける切り口はいくつもあるので、また記事にしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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