こんにちは。画家の宮島啓輔です。
今回は、SNSなどで絵やイラストを投稿しているとギャラリーのアカウントから「展示に参加しませんか?」という内容のDMが高確率でくることがあります。これらについて説明して行きたいと思います。
SNSからの展示の誘いはほとんどが有料でグループ展
ある日ギャラリーから「あなたの投稿作品に大変惹かれましたので〇月から開催する〇〇展のご案内をさせて頂きます。」や「海外展示をさせて頂く~」の内容のDMがくることが多々あります。
これを受け取った人の中には絵やイラストを描いていてネット上での発信を始めてみたら「自分を見出してくれて声をかけてくれている」や「出展依頼が来ると言うことは人気があるのかも」、「海外展示!?」などびっくりして喜んで参加したい!
と思ってしまうかもしれませんがよくそこの開催概要などを見てみると出展点数何点につき、いくらかかるや過去の展示風景を見ると壁一面に小作品がびっしり展示されていることが多いです。
ここで少し慎重に考えて頂きたいのが一点につき数千円(数万円の時もある)の出展料を払ってそれ以上のメリットが自分にあるのかという事です。
例えば出展料を一人から10000円貰って50人に展示してもらうと出展料だけでも50万円の利益がギャラリー側に発生します。
そしてサイズが小さい作品限定にしておくと参加作品をたくさんの作品を飾る事ができる。そこで仮に売れなかったとしてもギャラリー側は出展料を貰った時点で固定の利益は確定しているので売れなかったとしても自分は痛くないというビジネスモデルの場合が多いです。DMでの「投稿されている作品に惹かれて~」の半分かそれ以上は儲けが背景にある営業活動だと思った方が良いと思います。
また作家が在廊しない、事前にお客さんが作家や作品を知らない状態でたくさんの作品が並んでいる中からきちんとした価格での販売に繋がることは難しいです。
作家側も出展料以外にもキャプションを作ったり、必要であれば額装したり、梱包して郵送費がかかったりと色々と時間とお金がかかってしまいます。この出費に対するリターンが自分にあるのかを考えた上での参加をしましょう。(中には善良なところがあるのかもしれませんが、個人的にはSNSで勧誘されての展示よりも自分で調べてきちんとした口コミや評判があるところで自分のやりたいことの目的に沿って開催した方がいいと思います。)
全ての展示の誘いに問題があるというわけではない
ここまで作家側がお金を払う「貸し」の概念の展示について書きましたが、ギャラリー側が選んだ作家に無料でスペースを提供して絵を販売して、売れた場合には販売価格の数十%を手数料として渡すという「企画展」があります。
この場合はギャラリー側も売れなかった場合のリスクを負うのでかかえているクライアントへのアプローチもしてくれますが、このような「企画」の誘いは「貸し」に比べると日本でSNS上での数は少ないと思われます。
後、仮に企画と書いてあっても作家側へ出展関連の金銭負担がある場合は「貸し」になります。
「貸し」の展示の誘い全てが悪いというわけではないですが作家からの出展料中心で稼いでいる人も中にはいる事を知っておくことが大切になってきます。
最後に
私自身SNSでの発信を始めたばかりの時、複数の所から連絡が来ました。
具体的にどこかはトラブルになると面倒なので書きませんが、全部が全部こういった営業形態のものが悪いとは言いませんし、中には良い条件のものもあるかもしれません。
ですが、特に学生を含めた新人の方やSNSを使い始めたばかりの人とプロフィールでそうとわかると、連絡が来る可能性が高いです。
まずは出展条件がきちんと記載されているか、主催者はどこなのか、そもそも全て詐欺ではないか、連絡先が記載されているかなど検索でのギャラリーの口コミや参加者の声なども考えに入れつつ参加を考えることをおすすめします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。