こんにちは。画家の宮島啓輔です。
私の作品は自分の頭の中だけにある空想の世界を目でみる事ができるように主に絵画作品として、極彩色で隙間なく埋め尽くすように表現しています。
下描きはほとんどせず、描いている途中に浮かんで流れてきたモチーフや模様を描くところが無くなるまで埋め尽くすように自分の頭の中にのみ存在する世界を作品に浮かび上がらせています。
作品のアイデアやストーリー性の着想は様々なところから吸収し、独自の世界観を構築してきましたが、その中のひとつに「音楽から描く作品」というものがあります。
パウル・クレーやモンドリアンなどの過去の芸術家にも音を絵にした人はいました。
元々私は、作品を制作する時は音楽を聴いている事が多く、絵画作品の制作には切っても切れないところがありました。取り入れる感覚器官は異なっても自分の中での音楽と絵画の感じ方はどこか分離できないところがあり、歌詞や曲調、作曲背景などを絵にする事によって描いた絵は多くあります。
今回は、いくつか存在する音楽を絵にした私の作品の中から、The Beatlesの楽曲をテーマに制作した二点を紹介していきたいと思います。
【Lucy in the Sky with Diamonds】
この作品のアイデアの元となった曲はThe beatles の楽曲【Lucy in the Sky with Diamonds】になります。
サイケデリックアートとは?独創的な作品の描き方を紹介
詳しくは上の記事に書いていますが、この楽曲が発表された当時の「サイケデリックムーブメント」と呼ばれる社会背景を中心に「ダイヤモンドをまとったルーシーが空にいる」というナンセンスな歌詞、浮遊するような曲調を自分なりに解釈して描いたアクリル画作品です。
この作品は、いくつかの私のグッズや印刷物に使用し、現代アーティスト小松美羽さんからの賞を受けた作品で人気のあるモチーフで依頼なども多いのですが、気に入っている作品なので現在も手元に置いています。そのため依頼や販売の際は、同じモチーフと構図でこれまでに複数枚制作してきました。
【Octopus’s Garden】
この作品もひとつめに紹介したもの同様、The Beatles の楽曲【Octopus’s Garden】からアイデアの着想を得て制作したF20号サイズのアクリル画作品になります。直訳すると「蛸の庭」という意味です。
花や植物の細部の描き込みは筆だけでなく、先の尖った竹串や顔料マーカーなどを使用しています。
アクリル絵の具のみでも幅広い表現は可能ですが、この作品にはメディウムを多様しているのでレリーフのような立体感や余白を埋め尽くすように描かれた動植物たちを、実際の原画展示の際に感じて頂けると幸いです。