こんにちは。画家の宮島啓輔です。
私は現在までアクリル絵の具で描くカラフルで細密な作風を中心としてその他ペン画、水彩画、色鉛筆画、油彩、切り絵など様々な画材や表現で作品を制作しています。
私が1年の間に描き溜めた140点程の作品をはじめて企画展という形で大阪のカフェギャラリーで個展を開催したのは高校一年生の終わりの春休みの時でした。
展示期間中在廊のために通えて、展示が現実的な店舗を探し簡単なポートフォリオを持って訪ねて話を進めて行く上で
15、6歳の時に良い会場で開催が決定し、展示開催の上で思考錯誤を重ねることで
現在から考えると小さな一歩ではあるもののある程度その時の自分的には成功レベルの売り上げとたくさんの方との繋がりを得る事ができました。
一般的にカフェギャラリーは企画展の場合を除くと展示料金が普通のギャラリーなどに比べて安く設定されている場合が多いので初めて個展を開催する方や学生にとって開催までのハードルが比較的低くなります。
自分でお金を払わない限り、いきなりどこかの一流百貨店のギャラリーや名の知れた銀座のギャラリーから企画展の声がかかることは少ないです。
「海外展示 銀座」のような一見かっこよさそうな名詞を使って簡単に声をかけてくるところが存在しますがよく調べると運営がトラブルの多いところや悪い口コミが多いところも稀にあります。
今回は個展開催までの準備方法や効果のあるやり方をカフェギャラリーでの展示に絞って書いていきたいと思います。
目次
カフェギャラリーで展示する時の考え方
個展を開催することのメリットは展示空間を自分の世界観で好きなようにつくり上げる事ができることだと思います。(会場側の意向がある場合もありますが)
作品制作はほとんどの場合孤独な事が多いです。
自分が一から生み出した作品や作者に向けて足を運んでくれる人がいてリアルの場で反応を感じる事ができます。
カフェギャラリーでの展示は百貨店のような高額な絵を買うお客さんをたくさん顧客として抱えているようなパターンは少ないです。
そのため、一流百貨店のような高額な数十万円単位の作品は売れにくくなってきますが
条件に左右されるものの作品などの自分の商品販売を視野に入れるのであれば、やり方によって異なりますが、案内状の配布やリアル・オンラインを組み合わせた宣伝、展示作品の調整など細かい施策を組む事によって結果は大きく変わってきます。額縁代や画材代など制作にかかる費用を黒字にすることは可能です。
ただ、絵を売るだけことに固執するのでは無く、会場に足を運んでくれた方に作品やその世界観を楽しんでもらうなどのプラスの感情になってもらう事が一番前提として大切にするべき事だと私は思います。
個展に人がこない原因
せっかく作品を準備し、搬入して会場に在廊しているのにそもそも人が全く来ないとただ飾っただけになってしまい元も子も無くなってしまいます。
有名なアートギャラリーなどで企画展をする場合などは絵を買う顧客リストを持っていて画家の売り出しを職業にしている画商が作品売買を管理するなどの形がありますが
カフェギャラリーの場合店舗によって異なりますがほとんどの場合画商はおらず、スペースを作家に貸して飲食店としての営業もしているパターンが多いです。
カフェギャラリーでの展示で会場に訪れる人の大体の内訳は
・カフェギャラリーに(飲食店・アートギャラリー・その他イベント等)お客さんとして来た人
・カフェギャラリー側が案内状を出した個人や企業、もしくはそこから展示を知った人
・作家自身のオンライン・リアルでの告知を見て来る人
・メディアや作家以外の発信や口コミから知った人
などがほとんどです。
カフェギャラリーのお客さんに加えて作家自身が行う集客も重要になってきます。
人が来る繁盛した会場を選ぶ
私がはじめて個展を開催したカフェギャラリーは常にお客さんが飲食したり、絵を観にきたりと良い意味で忙しく充実した展示をする事ができました。
開催場所を決めて行く上で一般的なアートギャラリーやカフェギャラリーなど展示形態は違えどきちんと人が来る良い会場を選ぶことが重要になってきます。
地図を見ても辿りつくことの難しい路地裏にあるような会場や人がほとんど来ないような悪い会場で展示をするべきではありません。
仮に企画展での開催でレンタル料が無かったり作家自身に集客力や影響力があったとしても一回展示を開催しようとすると作品・額縁・作品キャプションの用意、搬入、展示、搬出などの労力がかかります。
展示にかけた時間や費用を最大限生かすための会場選びは店の立地、アクセス、どれぐらいの人がいたかなどを考えて慎重行いましょう。
案内状の設置・配布
会場に預けて店舗や会場に繋がりのある所への設置に加えて、自分の足で周辺地域の店や画材屋などを回って案内状設置を頼んでみましょう。
もちろん断られることもあるかもしれませんが
飲食店としてその地域の中で店舗同士を知っていたり、実際に行って迷惑にならないように交渉することで善意で置いてもらえる事が多いです。
知り合いや過去に関係のある人などにも案内状を配ることで興味があれば来てくれることがあります。
メールやDMでの告知でも良いですが、手に取れて形のあるアナログなDMを送ることも送料はかかりますが、送った相手に印象を持ってもらえる効果が高まります。
同時にオンライン上ではSNSを含めた影響力のある発信媒体を同時に育てる事も重要です。
数か月前からプレスリリースをして新聞社やメディアに取材依頼して集客する方法もあります。
これらの自分で行う開催告知は少なくとも一か月前くらいから始める事が重要です。
会場に合った商品の用意
先程書いたようにカフェギャラリーで作品販売は作家自身の集客力に左右されるものの数十万円単位の高額な作品の販売は難しい傾向にあります。
サイズが大きく価格の高くなる商品は世界観づくりの為の展示用とするか販売数を抑えた構成にしましょう。
逆にそれらに比べて価格の安くなる小作品やグッズ系の販売数を多めにすることでカフェギャラリーとしての会場にマッチした商品構成が作ることができます。
私が初個展を開催したカフェギャラリーは雑貨などを常設で取り扱っているところだったのでオリジナル商品のピンブローチやピアス、バッジなどのグッズ系の商品を多く用意しました。
私の場合は自分の絵柄の雑貨系の商品を多く用意しましたが、その会場の特色に合ったものや自分が実現しやすかったり、フォロワーの人の声などを参考に用意をしましょう。
その他私は絵画作品だけでなく、小さめのオブジェやマトリョーシカ、スマホカバーなど用意することでバリエーションを増やしました。
ポストカードは販売よりプレゼントの方が良い
これはあくまで私個人の考えになります。
私はリアルでの展示の際、必ず用意しているわけでは無いですが、ポストカードを含めた手軽に手渡せるものは販売はせず、プレゼントさせてもらう事が多いです。
私は作品用木製パネルをそのままパレットとして使用することがあり、普段の作品制作の合間にできる遊び感覚の抽象画として展示会で持っている事があり、それも欲しい方がいればたまにプレゼントしています。
最近では、制作費もそこまでかからずポストカードを含めた100円~300円くらいの比較的安価な価格設定になるようなグッズなどは販売するよりも自分の為に足を運んでくれた方や作品購入者の方に差し上げた方が相手にも喜んでもらえて良いんじゃないかなと思っています。
飲食スペースの壁の展示
カフェギャラリーには飲食スペースと展示スペースが分かれているところや一体化しているところなど形は様々だと思いますが、できる限り飲食スペースの壁には万が一作品が落下する事を考慮して小作品にするか、大き目の作品でもしっかりと固定しておきましょう。
カフェギャラリーの良さでもあるコーヒーを飲みながらじっくりと作品鑑賞できる飲食スペースの展示を凝ってみることも良いかもしれません。
芳名帳の設置
これはその時の展示に効果があるわけではありませんが、次回また自分の作品展を同じ会場やそれ以外の会場で開催する際の案内状を送ったりすることができる為です。
その時開催した作品展が良ければ、興味を持って頂いて次回の展示も是非行かせてもらいたいという方は多いです。
簡単な感想なども同時に頂くことで、次回へ生かしたり開催したことへの意義も感じることができます。
最後に
ここではカフェギャラリーで個展開催する時に効果的な自分自身が実践したポイントを限定的に書きました。
その他展示に関するステップはたくさんありますが、展示に足を運んでくれた方にとってどう映るかや事務的な作業も効果的で効率の良い方法を状況に沿って進めて行く事が大切です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。