【描きたいのに描けない】絵のアイデアが浮かばない時の理由と対処方法

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アクリル画作品

こんにちは。

画家の宮島啓輔です。

今回は、絵を描こうとする時、「アイデアが浮かばない」「やる気はあるのに描きたいものが見つからない」のようなことが起こるせいでせっかくのモチベーションが下がってしまう時どうすればいいのか?

こういった疑問について「【描きたいのに描けない】絵のアイデアが浮かばない時の理由と対処方法」のテーマでお伝えして行きたいと思います。

アイデアが出ない理由

どの分野においてもアイデアを何も無いゼロの状態から生み出そうとすることは限りなく不可能です。

人間が何か新しいものを生み出すとき、それまでに五感で吸収してきた経験や知識のような「アイデアの原材料」が無ければ作れるものも作れないという状態に陥ってしまいます。

ほとんどの人の場合、疲労・集中力の欠如などの理由もあるとは思いますが

思考材料不足が主な原因と思われます。

ではどうすればいいのかという所について説明して行きたいと思います。

新しいアイデアができる構造

新しいアイデアやイメージを生み出す上での基本的な構造は

インプットした材料の「掛け算」です。

身近な例では、パソコンと携帯電話を組み合わせたスマートフォンやインターネットとショッピングの組み合わせのAmazonなどが挙げられます。アート分野の例では村上隆の伝統的な日本絵画と現代のゲームや漫画を平面の観点から掛け合わせた「スーパーフラット」や非現実とリアリズムを掛け合わせたダリやマグリットなどが有名な「シュールレアリズム」などがあります。

私の場合この絵はサイケデリック×細密×音楽×動物×神話辺りになります。

これらを自然にできてしまう人もいれば意識して融合させる人もいますがインプットした異なる分野や文化を結びつけることで新しいアイデアは生まれやすくなります。

アイデアの掛け算の空欄には、まったくの関連性の無いものから「感情」のような形の定まっていないものまで人それぞれのアイデアの出し方が存在します。

アイデアのインプット例

自然物からインスピレーションを得る

ai generated, gerbera, daisy

植物や動物、岩石や昆虫、風景など創造の原点である自然からアイデアを得るのも良いかもしれません。見るのがすぐには難しいものでもインターネットで検索してみたり、博物館、動物園に出向いてみるとこれを描きたい!と思えることがあるかもしれません。

映画・音楽を観る

flatlay photography of wireless headphones

映画を観たり音楽を聴いたときに感じた世界観や心情の変化、その作品の時代背景から影響を受けて絵を描くという方法もあります。前衛芸術のパイオニア、抽象の父とも言われるオランダ出身の画家、ピートモンドリアンはジャズ音楽から影響を受けて作品を制作したと言われています。

展覧会などに行く

group of people inside museum painting

大規模な巨匠などの展覧会でも良いですし、知り合いの個展やグループ展などに出向くこともモチベーションが上がって刺激になると同時に、気分転換にもなります。またアーティストにとって有益な情報もそこで共有できるので良いと思います。

画材屋に行ってみる

画材屋に行くと棚にまだ使ったことの無い画材がずらっと並んでいるのでそこから次の作品のイメージが浮かんできたり偶然の新しい表現方法につながる商品とも出会えるかもしれません。

また店舗によっては個人が開催する展覧会のDMが置いてあることもあるので新しい発見があるかと思います。

関西の画材屋で全体的にかなり値段が安く、そこでしか見れないような商品がたくさん置いてある大阪の笹部画材さんは個人的にかなりおすすめなので行ってみる価値はあると思います。

chatgptを使用する

chatgptは基本的には文章生成だけですが、有料版chatgpt(2024年2月時点で)プラグイン(機能拡張するソフトウェア)を入れると画像や動画も指示通りに生成してくれます。

もちろん文章生成からだけでも得られるものは大きいですが、画像の生成などは、簡単に構図、色味を形にする事ができるので自分で描く絵のイメージや世界観を膨らませるのには役立つかもしれません。

私は現在画像生成等では本格的に使用はしていませんがこれから自分の絵に動きを持たせたりして表現を広げていこうと思っています。

表現に制限をかけてみる

普段の制作で特に使う色数を決めていない人は「~色だけ使う」や「~系色だけ使う」など描く上での制限をかけると普段とは違う発想が出て来たり、制限の中だからこその表現が自然と出てくるかもしれません。

有彩色を使用せず、墨の黒一色の濃淡だけで描く水墨画なども色の使用の制限の中から生まれる作品スタイルの一つと言えます。

私の場合普段の絵に少し飽きてきた時青系色だけの絵を描きます。

メディウムを使う

ここで言うメディウムとは主にアクリル絵の具の話になりますがメディウムを使った予測不能な表現に挑戦してみるというのも一つの方法です。種類も複数ありそれぞれ違うので表現に広がりを与えられるかもしれません。

違う色同士が混ざらないようにして流動的な模様を作ることのできるポーリング技法などがあります。

わかりやすいサイトがあったのでリンクを貼っておきます。

ポーリング技法

メディウム以外にも筆以外のものを使って描いたり、自分が普段コントロール可能な範囲から離れた描き方などに挑戦してみましょう。

落書きをする

person holding ace of spade playing card

普段からイメージや浮かんだことをクロッキー帳などに描き留めておく習慣を身に着けておくと後でそれを眺めていると新しい発見があったり、思い立ったときにすぐに出せるので便利ですよ。あくまで遊びの感覚でやっておくとクリエイティブなものが生まれやすいかと思います。

最後に

今回は、私なりに思いつくアイデアの生み出し方を書いてみました。

他にも方法は人それぞれ数えきれないほどありますが、インプット→自分の中で融合→アウトプットを繰り返すことで新しいアイデアやイメージが生まれやすくなります。是非今回の話を参考にクリエイティブな作品を生み出していっていただければと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

プロフィール
この記事を書いた人

2006年3月生まれ幼少の頃より細密、極彩色な自分の脳内だけに存在する空想世界の絵をアクリル絵の具を主に様々な画材で1年に140点以上制作。作品サイズは数㎝のグッズから数ⅿの巨大アクリル画まで様々。高校1年生の時の個展開催以来二人展、グループ展等展示活動を続ける。ターナーアワード、Liquitex the challenge【小松美羽賞】等受賞多数。日々制作の幅は広がり続け、各地での展示、プロジェクトの実現を構想中

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