こんにちは。画家の宮島啓輔です。
今回は「空想画のテーマやアイデアが思いつかない時の描き方のコツを紹介」のテーマでお伝えして行きたいと思います。
制約はほとんど無く自由に想像した事を描くというテーマで学校などでよく課題として出される空想画ですが、実際自由に描いていいと言われる程難しく感じてしまうと思う方は多いと思います。
今回は、アイデアの膨らませ方や何でも描けるからこその難しさの部分に焦点を当てて書いて行きたいと思います。
空想画の描くためにやるべきこと
自然と描けてしまう人は絵を描く上で何かテンプレートに従ったり、法則を作ることをあまりやらない方も多いとは思います。
ですが、アイデアを意図的に作り出す仕組みを私なりに言語化してみたものをここでは紹介して行きたいと思います。
空想画を描く場合はデッサンのように見たものをそのまま描くのでは無く、ある程度頭の中で何を描くかを考えてから、見たものや聞いたもののような五感で感じた「アイデアの材料」を組み立てなおす必要があります。
インプットを増やす
この「アイデア原材料」にになるものの吸収量が多ければ多いほど表現のバリエーションは増えます。
絵を描くためのインプットであれば主に目から入る情報をたくさん吸収して行く事が大切です。
興味が湧くような画像や動画をできるだけ多く見ておくと、作品を制作する際の偶然のヒントやひらめきを生む事になります。
作品そのままをパクって自分の作品としてしまう事はタブーになりますが、推しと呼べるような作家や作品、気に入った模様を深く観察して自分なりに咀嚼して上で身に着けておく事で制作の引き出しを増やす事ができます。
画像や動画探しはInstagramや画像サイト、YouTubeなどから美術資料集など見渡すといくらでも無料で存在するので世界遺産、自然、建物、生き物、植物、スポーツなど絵とは関係なくとも様々な分野の画像を見ておくことで制作の幅が広がります。
興味の向いたものをピックアップする
画像を見ていく中で、綺麗と思ったり、好奇心が湧いた画像を保存しておくか、そのイメージを簡単にスケッチしておきましょう。
元々興味があったものでも構わないのである程度ピックアップして簡単にスケッチしておくことで大体の作品のイメージを掴むことができます。
もしもこうなったらの思考を持つ
空想画を描くには現実での常識から大きく離れたコンセプトの方が空想画としての魅力が増します。
なので、もしもこれがこう変わったら、、、などの非日常なもしもの思考を普段から身に着けておきましょう。
シュールレアリスムと呼ばれる非現実的な風景などを描いた作品を空想画を描く際の参考にしてみる事も良いかもしれません。
代表的な的な画家に美術の教科書などで一度は見かけたことのあるサルバドール・ダリやルネ・マグリットなどがあります。
作品のコンセプトを具体的に組み立てる
作品の大体の概要づくりはここまでに吸収してきた「アイデアの材料」を組み合わせる掛け算の作業をすることで出来上がります。
自分が興味を持った要素や良いと思ったデザイン、その世界観の中でのルールなど自分なりに色々なところから寄せ集めた「材料のアイデア」を掛け算の式に落とし込んでみましょう。
空想画の難しいと感じるところのは何を描いても良いと言われるから余計何をすればいいかわからなくなってしまうことです。
そこで自分の興味の向いたものを細かく分けて考えて、組み合わせると絵の世界観を作りやすくなります。
あくまで今簡単にで考えた例ですが、綺麗と思った森×面白い形の木×変わった形の窓×不思議な色の葉×~……..=ツリーハウス
銀河系×海洋生物×猫×翼など一見、状況や関連性がわからないものでも空想画としての面白みは大きくなると思います。
この掛け算の空欄には元々指定されたコンセプトを入れても良いですし、可能であれば「感情」のような明確な色や形が決まっていないものを掛けてみる事も良いかもしれません。
この作品は、音楽×極彩色×魚×鳥×曼荼羅の他に色々な分野で私が興味を持った事を自分なりに大量に掛け算して作っています。
キメラと言われるような異なる動物を合体させた想像上の生き物を参考に制作することも良いかもしれません。
最後に
空想画を描くときの考え方や手順、アプローチの仕方は無限にあり人それぞれありますが、空想画を描く上でベースとなるアイデア探しとコンセプト作りについて今回は書いてみました。
コンセプトを作ってからそれを絵にするために、リアルに描く場合はその為の技術など、イメージを絵に落とし込むにはどうするかと言う事も考えて空想画を描いてみましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。