こんにちは。画家の宮島啓輔です。
今回は、「マイナージャンルの画風・活動が強みになる理由」についてお話ししたいと思います。
アートの世界では、アカデミックでメジャーなスタイルが教育機関でも取り扱われるも多く、触れる機会も多い傾向にあります。
このような事から、「メジャーなジャンルじゃないと需要がないのでは?」と考える人も少なくないかもしれません。
この記事では、なぜマイナーなジャンルが強みになるのかに焦点を当てて、お伝えして行きたいと思います。
マイナージャンルがもたらす想像以上の価値
一番最初に結論を持ってくると、マイナージャンルのような少し珍しくて特色を感じさせるようなものの方が、特別な価値を持つことが多いのです。
見たものを忠実かつリアルに描くデッサンのような技術は、ほとんどの美術教育機関で教えられており、認知も広く、実践者数も多いです。
他にも、技術的に分類すると油絵や水彩画なども王道な画材に分けられます。
活動方法などでは、SNSに写真をアップしたりなどが多くの人が考えるものになるかと思います。
これらのメジャーと言われる画材や技法、活動の特徴は、メジャーなカテゴリーでの競技人口が多いという事です。
メジャーなジャンルでの活動のメリットには、多くの人がいる中での安心感やある程度の指針が示されている事等々がありますが、デメリットには、やっている人が多い分の競争の激しさや埋もれやすさなどの側面を持ちます。
対して、一見マイナーなジャンルには、深い共感を持つ人々に刺さりやすくなるという特長があります。
人が少ないからこそ、本当に刺さる人に出会える
多くの人がいるメジャーなジャンルで普遍的な事をやろうとすると、どうしても多数派の好みに合わせがちになります。
もちろん、その中でもポジションを持っている人も存在し、普遍的な方向性で高いレベルを目指す事を否定しているわけではありません。
しかし、マイナージャンルでは、発信する内容に「刺さる人」が意外と多くなるのが特徴です。
これは、アートに限った事では、ありませんが大衆的で凹凸の少ない事を発信するよりは、珍しさやそれぞれに特色のあるものの方が、共感してくれる人や結果として少数でも濃い価値を持つようになります。
特にアートの世界などに置き換えると、模写でもしない限り、自分の意志で生み出した作品には、作家個人のそれぞれにその人の描く時の個性やクセ、コンセプトなど振れ幅は違えど自分の柱を持っているものです。
マイナーなジャンルの表現方法、活動形態だからといって、まったく需要がないわけではなく、むしろ狭くても濃い需要がある事が多いのです。
競争相手が少ない事のマイナージャンルのメリット
先ほどの本当に刺さりやすい人に出会えるという部分と重なるところがありますが、マイナージャンルでの大きなメリットは、競争相手が少ないため、自分の「ポジション」を築きやすいことです。
画材や技術、コンセプト、活動形態など様々な事に当てはまる事ですが、数万人、数十万人の人がやっているところで同じ方法で何かをしようとすると、必ずその道で先を走っている人がいます。
その人とまったく同じ道、似た道を行こうとするとレベルや難易度は上がります。
しかし、その業界での実践者が100人以下であったりまだ誰も取り入れていないような要素を取り入れて実践すると「その分野での第一人者」や「このテーマならこの人だよね」と認知されやすくなるのです。
そのようなマイナー要素を現在持っている場合はむしろメリットになるのです。
また、今から自分でマイナー要素を取り入れようとする事は、難しい部分はありますが、他の業界や海外から取り入れる事もできます。
また、実際に経験し、発信をしている人が少ないからこそ、求められる技術も高くなり、ポジションも確立しやすくなるのです。
最後に
今回は、「絵はマイナージャンルの画風や活動であることこそが強みになる」の内容で、
アートのニッチなジャンルのメリットに焦点を当ててお伝えしてきましたが、王道ジャンルがよくないわけではありません。
私は、王道ジャンルもあれば、特色のあるマイナージャンルもあって、色々な振れ幅のあるクラスターがたくさんあることでちょうどいい平均がとれることが良いと思っています。
活用の仕方によって、どちらであっても価値を生み出します。是非、楽しみながら活動を続けていってくださいね。
このサイトでは、他にも制作に対する考え方や画材の知識なども記事にしているのでぜひ読んでみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。