作品を販売したい人の絵画の値段の付け方と相場の考え方や仕組みを解説

money, coin, investment 絵に関する話

こんにちは。画家の宮島啓輔です。

アクリル画作品

今回は、「作品を販売したい人の絵画の値段の付け方と相場の考え方や仕組みを解説」のテーマでお伝えして行きたいと思います。

自分の描いた絵画作品を販売しようと思ったら価格設定の検討は重要なポイントの一つになります。

アートの世界は値段の付け方の方法は幅広すぎて実用的な方法がわからないという場合も多いかと思います。

今回は画家としての価値の守りつつ、価格の付け方、注意点などを解説して行きたいと思います。

絵画作品の価格設定の基本

作家自身の手で一から制作したオリジナル作品に価格設定するには、材料費、時間、手を動かす労力、アーティストのブランド力など色々な要素が影響してきます。

画材一つをとっても、思った以上にきちんとした質のものを買うと画材代はかなり値段は高いですし、描き込む作品の場合は時間もかなりかかります。

作品を販売してお金を頂く事を成り立たせる以上、制作にかかったコスト以上の価格設定が必要になります。

絵を描く人ならわかる人も多いと思いますが、オリジナルの作品を完成させる事は誰にでもできる事ではありません。

自分の作品の価値を謙遜して価格を安くしすぎてしまうと、かかったコストから考えてバイトの最低時給を割ってしまう事も起こってしまいます。

世の中の主に作品を本気で描いた事の無い人がよく主張する「アートとお金は無関係だから」は何の解決にもならないデメリットの多すぎる本質の見えていない意見に過ぎません。

作品を安売りする事は一時的には良いかもしれませんが、既製品とは異なる制作者にしかできないオリジナルの作品の安売りは自分の価値自体を下げてしまうリスクがあります。

日本では作品の号数から価格を設定する事が多いようですが、それ以外の決め方を紹介して行きたいと思います。

時給ベースでの絵画作品の価格設定

hourglass, time, hours

これは制作にかかった時間を他の業種同様、時間をお金に換算して値段を付ける方法です。

時給の部分は個人によって変える事ができ、合理的な決め方と言えます。

例として制作時間五時間の作品で材料費・購買率などを含めた時給一万円の場合、価格は50,000円という計算になります。

ただ、この方法は個人の技術量やそれぞれ人によって異なる描き込み具合や作風によって変動する部分があるのであくまで目安程度にその都度細部の調節が必要です。

作品サイズ別の号単価の価格設定

・号数とは?

号数とは主にキャンバスなどの絵画作品の大きさを表す単位です。Fサイズが一般的で、号数が大きくなればキャンバスのサイズも大きくなります。

これは日本で昔から一般的な方法として用いられてきた1号あたりの単価を元にサイズに比例して価格を設定する方法です。

例えば、1号あたりの単価を一万円に設定した場合、10号の作品は100,000円、20号の作品は200,000円となります。

サイズが大きくなるごとに割安にして小さい作品は割高に設定する傾向が一般的です。

号単価は最低一万円前後からと言われています。

この価格の設定方法は販売者からしたらお客さんに自分の号単価をすぐに伝えられるので把握してもらいやすい利点はありますが、

作品ごとにかかった材料も時間も異なるので合理性に欠ける部分があります。

この方法は日本特有の絵画の価格設定方法と言われており、画家が画廊を通してしか作品を販売する機会が無かった時代に絵を作家に代わって販売する画商が売り出しやすくする名残だとも言われているので、現在はネットも発達し、作家自身が制作から販売までをやりやすくなったので号単価で決めるやり方に固執する必要は無いかと思われます。

オーダー絵画作品の価格設定

オーダー作品は元々用意している作品では無く、依頼主の特別な要求に応じて制作されるパターンが多いので手間とコストは大きくなります。

家族の干支絵作品の依頼制作の一枚

私の場合は希望のイメージカラーやその人の為のモチーフを入れて依頼制作する場合が多いです。

普段の制作より要望に応える為の特別な画材の使用だったり、時間的な対応力の部分から通常よりやや割高に設定する傾向にあると言われています。

絵画作品の価格を徐々に上げるには

絵描きのキャリアが進むにつれてブランド力が増したり、需要が高まってくるにつれて価格を少しずつ上げて行く事もできます。

stairs, puzzle, businesswoman

何かのイベントを開催したり、特別な販売の催しをするような何かの制作の節目やその時々で価格や販売方法を調節する事もできます。

短期間の間に一気に価格を大幅に上下させる事はあまり安定するものではありませんが、長期的に考えて行く事が重要です。

最後に

今回は「作品を販売したい人の絵画の値段の付け方と相場の考え方や仕組みを解説」のテーマでお伝えしてきました。

過去の日本の美術界では号単価何万円の画家などの呼び方で作家の価値が示されている事もありましたが、現在はネットの発達も含めて画家の活動の幅は広がってきているので固定された価格設定にこだわる必要はありません。

今回紹介した価格設定方法も目安程度に個人の作品への思い入れなどを考慮して、全体の構成を見ながら決めて行く事が大切です。

・関連記事

最後まで読んで頂きありがとうございました。

プロフィール
この記事を書いた人

2006年3月生まれ幼少の頃より細密、極彩色な自分の脳内だけに存在する空想世界の絵をアクリル絵の具を主に様々な画材で1年に140点以上制作。作品サイズは数㎝のグッズから数ⅿの巨大アクリル画まで様々。高校1年生の時の個展開催以来二人展、グループ展等展示活動を続ける。ターナーアワード、Liquitex the challenge【小松美羽賞】等受賞多数。日々制作の幅は広がり続け、各地での展示、プロジェクトの実現を構想中

をフォローする
絵に関する話
をフォローする
極彩空想世界
タイトルとURLをコピーしました