こんにちは。画家の宮島啓輔です。
「絵を描いてその絵を販売する」という事には売り手と買い手が存在し、そこにはビジネスとして商品をやり取りするという行為が含まれています。
当たり前の事ですが、絵だけにとどまらず買い手側の心理としてお金を払ってものを買う際には何かしらのメリットと引き換えたりやプラスの状態にしたい感情が存在します。デメリットしか生じなさそうなものやお金を払う価値の無いものにビジネスが成り立つ事は基本ありません。
私は現在までに自分で描いた作品を販売してきたり。他の人の作品も購入してきました。
今回は、「画家の成功戦略:作者や作品に興味を持ってもらうために必要な事」のテーマでお伝えしていきたいと思います。
クリエイターにはファンが必要
画家だけでは無くミュージシャンも作家なども映画監督など娯楽やエンタメとして楽しむものはファンとクリエイターの構図があります。
ファンの人はクリエイター自身やその創作物に価値を感じるからこそ、ミュージシャンであればライブに行ったり、CDの購入やファンクラブ加入、作家であれば書籍を購入されたりすることででこのような娯楽が経済的になりたっています。
魅力や価値を感じていない人からすると絵画は絵の具をのせた平面ですし、音楽もただのノイズに過ぎません。
このような絵画を含めた創作物は水や食べ物のように無いとすぐに死んでしまうものでは無いので、そこにお金が発生するまでには強いファン化が進んでいる事が多いです。
特に日本においては、絵画は作り手との関係が浅かったり、よく知られていない人の作品はほぼ売れません。海外ではアートは家具感覚で扱われ、気に入った絵柄のものをその場で購入されるいう事も多いと言われていますが、日本人はブランド性などを意識する傾向にあり、高額になりがちな絵画作品をその場で購入するところまではならない事が多いです。
極端な例を出すとSNSなどで薄い関係のフォロワーが数千人いるの人と年間一万円を払ってくれる100人の濃いファンを抱えた人とではマーケティング的にみると後者の方が有利になります。
認識してもらう入口を増やす
ファンになる一番最初の段階に他の人の目に触れる入口が必要になります。いくら価値のある事を実行していても他人に知られるきっかけが無ければ誰にも知られないままです。
芸能人や著名人のように既に一定の影響力のある人は私生活を発信するだけでもそこに価値が生まれますが、世の中のほとんどの人は広く認知されていない一般人なので、行動や発信に価値を持たせたものを発信し続ける必要があります。
ネットでも現実の世界でも、人は自分が欲しいと思う情報や商品を価値あるものとして摂取しますがどこの誰かわからない人の変哲の無い私生活を見てもスルーされてしまう事がほとんどです。
先ほども書きましたが、海外では好きなように描いた絵画作品そのものの図柄が気に入ったからその場で購入される事も多いですが、日本の場合、なんらかの入口から相手の存在を知り、この人は何者かを理解してファンになってから作品を所有したいと思うパターンが多いです。
全て自分のやりたい事をしてそこが偶然世間の求めるものに合致して成功したクリエイターもいますが、認識してもらうためには需要や価値を持ったものを世に送り出す必要があります。
絵本作家や漫画家であれば、「絵」に「ストーリー性」という価値を持たせる事で需要ある商品として成り立っています。
また、価値を持った発信には質だけで無く、圧倒的な行動の積み重ねが必要です。有名な例に、20世紀を代表する芸術家であるパブロ・ピカソが生涯に残した作品数は数万点に及び、ギネス記録に認定される程であり、日本の音楽プロデューサーの秋元康の作曲数は4000点とも言われています。良し悪しを含めて価値を持ったものを発信するアプローチの回数を増やす事に比例してチャンスを得る機会は増えて行きます。
人がファンになる理由
人がファンになる理由には様々ありますが憧れ、信頼、人柄、共感、カリスマ性、世界観、応援などがあり、例を出すと芸能人への憧れから髪型やファッションを取り入れたり、ミュージシャンの曲の歌詞が自分に価値を与えてくれたり、夢に向かって努力している姿に感動させられるなどがあります。
私の知っているミュージシャン兼画家の人に世界中を旅し、壮絶でジェットコースターのような人生経験から創作活動をされている方がいます。彼の場合、それまでに歩んできた人生を書籍化して伝え、そこにもキャラクター性や価値を宿らせています。
また、仮に画力がそこまで高い作品で無くとも作者自身の人生やキャラクターにインパクトがあればファンはついてきます。
芸能界には画家としての活動でも有名な人がいますが、作品のレベルは高い事に加えて芸能人というキャラクター像が世に認知されているところもクリエイターとしての人気に影響しています。
人は心を動かされたり、自分にメリットを感じる事ではじめて認識し始め、そこからファンになっていきます。