絵・イラストを人と比べて嫉妬してしまう時の考え方

lightbulb, concept, cork 絵に関する話

こんにちは。画家の宮島啓輔です。

絵やイラストを描いていると、他の人の作品を見てつい自分の絵と比べたり、人から影響を受ける事抵抗があったりSNSで素敵な作品を見かけると、どうしても「自分もあんな風に描けたら…」とか「どうして私はこんなに下手なんだろう」と思ってしまうことがあるかもしれません。

受験などのように競うために良い悪いがある程度明確になっていて比べる事が向上心に繋がる場合は別かもしれませんが、単純に好きで描いている絵を嫉妬心に振り回されると、絵を描く楽しさがどんどん薄れてしまいます。

しかし、嫉妬をただのネガティブな感情で終わらせるのではなく、自分の成長にどう結びつけるかが大切です。

今回は、他人と自分を比べて嫉妬してしまう時に持つべき考え方についてお伝えしていきたいと思いまス。


他人の絵と自分の絵、比べる必要はあるの?

まず、他人の絵と自分の絵を比べることが、本当に意味があるのかどうかを考えてみましょう。答えは「ない」に近いと思います。

なぜなら、私たち一人ひとりが持っている経験や目指している方向は全く異なります。

例えば、SNSで見かけた誰かの作品が非常に上手だと感じた時、その人がどれくらいの時間や環境、努力をその絵に費やしてきたかは分かりません。

もしかしたらその人は10年以上絵を描き続けているかもしれないし、他が再現できないような技術を駆使しているかもしれません。

その一方で、あなたは自分なりのペースで現在の環境に置かれている最中で、技術や表現方法を試行錯誤している段階だとしたら比べようがありません。

また、絵を描く目的も人それぞれです。ある人はプロを目指して技術を高めているかもしれませんし、別の人は趣味で自由に描くことを楽しんでいるかもしれません。

こうした状況が違う中で、他人と自分を同じ基準で評価したり競争と考えることは本来意味がありません。

特に自分だけの絵柄を持ちたいと思っている時はなおさらで、目標とする人の背中をまったく模写するようにに追いかけても先頭にはその人が走っています。

ただ、まったくその人たちとは無関係と考えて全部自己流が良いかというとそういうわけではありません。

根本的な画力や絵の具の操り方などだけでなく、比べてしまう対象が周りから評価されている事なども含めて「どうやったら上手くいくだろう」と自分の周りから分析する事は積極的にする事をおすすめします。


他人から取り入れる考え方

嫉妬を感じた時、その感情をただ落ち込むための理由にするよりは、「学びを得るチャンス」として捉えることが一番効果があります。

確かに他人の作品が素晴らしいと感じたなら、その作品には何かしら自分がまだ持っていない要素が含まれているはずです。

それをしっかりと観察し、自分の要素に取り入れられる部分がないかを探してみましょう。

ただし、他人の絵をそのまま真似して自分のものとして出すのは避けるべきです。

相手の創造物を軽視してしまう著作権という問題もありますし、練習の過程としては良くても単なる模倣では最終的な自分らしさを見つけることができません。

大事なのは、技術的なポイントや表現の仕方、色の使い方など「自分にとって学びになる部分」を抽出することです。例えば、「この人の線の引き方がとてもきれいだな」と思ったら、そこに使われている画材や技法を練習してみるのも良いですね。


インプットを活かして自分らしい絵を描く

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他人の作品から学んだことを自分の絵に取り入れることは大切ですが、その際、必ず意識したいのは「自分らしさを失わないこと」です。

インプットは、さまざまな形であなたの作品に影響を与えるかもしれませんが、それをそのまま出力するのではなく、自分の経験や個性と融合させて表現することが大事です。

人間は今までに積み重ねてきたスキルや感覚を使って行動できる幅が広がるのでインプットは大切ですが、より重要なのはそのインプットしてきたものをどう掛け合わせるかです。

例えば、他人の色使いを見て「この配色が好きだ」と感じたなら、その色使いを自分の作品に合うように構築し直すアレンジが重要です。

また、インプットは他人の作品だけでなく、風景、音楽、映画、自然など、様々な種類がありますが、こういったものを通じて、自分の作品を「自分ならではのもの」にしていくことが、他人と比べることのない「自分だけの世界」を作り出すための大切なプロセスのひとつだったりします。


最後に

今回は、「絵・イラストを人と比べて嫉妬してしまう時の考え方」でお伝えしてきましたが大切なのは「自分のペースで進んでいくこと」です。

他人と自分を比べることで焦りや劣等感を感じるかもしれませんが、絵を描くことは長い目でみる方が良いです。焦っても急には上手くなりませんし、むしろマイペースでも着実にスキルを伸ばしていく方が、結果的に成長が早く感じられることもあります。

毎日少しずつでも、絵を描き続けることが大切です。どんなに小さな進歩でも、それが積み重なることで大きな成果につながります。

絵を描くこと自体を楽しむ気持ちを忘れずに、自分らしい表現を目指して進んでいってください。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

プロフィール
この記事を書いた人

2006年3月生まれ幼少の頃より細密、極彩色な自分の脳内だけに存在する空想世界の絵をアクリル絵の具を主に様々な画材で1年に140点以上制作。作品サイズは数㎝のグッズから数ⅿの巨大アクリル画まで様々。高校1年生の時の個展開催以来二人展、グループ展等展示活動を続ける。ターナーアワード、Liquitex the challenge【小松美羽賞】等受賞多数。日々制作の幅は広がり続け、各地での展示、プロジェクトの実現を構想中

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