【初心者向け個展開催】無名の高校生が絵の展示会を黒字化できた方法を徹底解説

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こんにちは、画家の宮島啓輔です。

アクリル画作品

今回は、「【初心者向け個展開催】無名の高校生が絵の個展・展示会を黒字化できた方法を徹底解説」のテーマでお伝えして行きたいと思います。

私はカラフルで細密な空想の世界を書いた作品を年間大小様々140点以上制作してきました。

そして、その作品たちを高校一年生の時から現在まで年数回、個展などの展示会を開催してきました。

過去の個展

美術の世界と金銭的な内容の結びつけはタブーとされる風潮は一部存在しますが、私は当時高校一年生の時に開催した初回展示から現在までの全ての展示で作品販売売り上げを黒字にする事ができました。

しかし、実際に周りの作家の方に話を聞くと毎回展示が経済的にも労力的にも赤字になってしまう事が多いようです。

個展を開催する事自体は会場を抑えさえすれば比較的容易ですが、それだけではただ展示して誰も来ないまま時間だけが過ぎて行ってしまうだけという残念な経験になってしまうパターンが多いようです。

そこから作品販売や会場への集客などを視野に入れた場合は色々なその状況に合ったやり方を踏まえて置く必要があるのです。

今回は名の知れているわけでもない無名の高校性だった自分でもできた経験や知っておくべき前提情報等を中心に書いて行きたいと思います。

【個展を黒字化するには】展示会には二種類の開催方法がある

group of people inside museum painting

日本で自分の所有地以外の場所を借りて展示会を開催する場合、主に企画貸しの二種類の方法が存在します。

それぞれのメリットはありますが、貸しの場合、場所を借りる行為だけになるので、そこからの集客、マネジメント等の負担は大きくなります。

作家個人の影響力が強い場合などは別ですが、会場費などの作家個人の負担や会場の運営形態などを検討する必要があります。

貸し画廊での展示は赤字のリスクを背負う可能性が高くなる要因の一つであり、企画展での展示を選ぶ事がおすすめです。

↓企画画廊と貸し画廊の簡単な違い

貸し画廊

展示スペースを作家に有料で貸して展示会を開催する画廊の事を言います。

これは日本独自のシステムで世界的にも珍しく、不動産的な特徴を持っていると言えます。

お金さえ払えばほぼ誰でも展示会を開催する事は可能ですが、企画は画廊では無く、作家側なので集客やプロモーション等々は自分で行う場合が多いです。

プロからアマチュアまで比較的ハードル低く開催できるところがメリットではありますが、場所によっては一週間数十万円を支払ったものの人が誰も来ないパターンもあり、販売等を視野に入れた時、展示費用の負担などから赤字になってしまうリスクは大きくなる特徴があります。

企画画廊

企画画廊とは主にギャラリー側が主体となり開催するシステムの事を指します。

作家側が展示費用を負担する場合はほぼ無く、主に画商が作品の売り上げを見込める作家を見つけて展示の管理、集客等をします。

ギャラリー主体の分、作品が売れた場合は30~60%がギャラリーの取り分となります。

アートの中心であるアメリカなどの海外はほとんどの場合、日本とは逆の企画画廊が主流です。

画廊の特色や意向に左右される場合もあり、貸し画廊よりハードルも高くなり、誰でも開催可能な仕組みではありませんが、作家側の負担は少なくなります。

【個展を黒字化するには】人の集まる会場で開催する事が重要

作家個人が強い集客力を持っている場合は、人の訪れにくい場所で開催しても問題は無いですが、そうで無い場合にも関わらず人通りの少ない場所で開催した場合、誰も訪れないままただ壁に飾って会期終了という事も多々あります。

先程書いたような企画画廊のように、画商が営業をしてくれたり、絵を買う顧客リストを持っているような会場自体が集客する能力を持ち合わせている必要があります。

とはいえ、企画画廊での展示開催は画廊自体も売れなかった場合のリスクを負うので審査があるところが多く、中々初心者にはハードルの高い部分があります。

特に日本の場合は、全てではありませんが作品自体よりも何々先生に師事したかどんな賞を受賞したかのような堅い経歴が重視されるところも多いようです。

そこで、初心者が一番ハードル低く開催できる開催できるものとして、アート以外の店舗を伴った作品展示が挙げられます。

画廊のようなアートに絞った商売とは異なり、本屋やレストラン、カフェを中心に営業している傍ら、空いているスペースや壁面を使用した展示の事を指します。

勿論、日本トップレベルの画廊のようにアート専門の営業でアート専門の顧客を多く抱えて、作品販売での商売が成り立っているところの展示には劣る面もありますが、

ただ場所だけを借りて作品を飾ったものの人ひとりやってくる事の無い最悪のパターンに比べ、会場側の通常営業に対してやってくるお客さんの目に触れる機会は圧倒的に多くなります。

そして、これらの通常の営業に伴った作品展示のメリットとして飲食店での展示の場合、飲食中にゆっくりと作品を鑑賞してもらえたり元々、上記のような通常営業にアートを取り入れたコンセプトでの営業をしている会場であればアート鑑賞目的でのお客さんにも作品に触れてもらえる機会が増えます。

【個展を黒字化するには】用意する作品数と種類の最適化

作品サイズの最適化

日本での作品販売を視野にいれた展示の場合は、50号100号のような大作は売れにくい傾向にあります。

日本は海外に比べ土地の狭さから全体的に家が小さく、飾るスペースが狭い事が多いので百号サイズのような作品が飾れる家はかなり稀です。

そのためSMサイズのような小作品が好まれる傾向にあり、大作は販売に不向きな傾向にあります。

詳細はこちらから↓

私自身、展示会の際、人の背丈程の作品を1、2点程展示していますが、あくまで販売を主な目的とせず、世界観を広げたいので描きたいから描いているものとなります。

その為、用意する作品のサイズは大きい作品程数を少なく用意し、買い求めやすい小作品は多く用意する事がおすすめです。

用意する商品構成の最適化

先ほど、例に会場の通常の営業に伴った作品展示を挙げましたが、そこに合わせて用意する商品の構成を考える事も重要です。

会場の通常の営業を目的として訪れて展示を観るという方も多く、展示会に訪れた方の中には絵画の購入は難しいけれど、絵柄の入ったものを雑貨購入感覚で欲しいと思う方も多いです。

絵画作品よりもハードル低く手に取れる絵柄を使用したグッズや極小原画作品のような商品も用意しておく事がおすすめです。

私は過去にリアルの展示限定の雑貨なども販売して来ました。

あくまで今思いついた例ですが、本屋のスペースを使用した展示では自分の絵柄が入ったブックカバー用意のように会場との関連性のあるものなども一つのアイデアだと思います。

他の記事でもグッズなどについて一部紹介しているので気になる方はチェックしてみてください。

【個展を黒字化するには】作品の安売りをしない

絵を描く作業はかなりの時間と労力を使う事が多いです。

絵を描く事は誰でもできるようなものでは無く、その人にしか生み出せない希少性や世界観も付加されるわけなので、行き過ぎた薄利多売はやめた方が良いです。

制作時間に対する価格をバイトの時給を割るような価格で販売してしまうと作品価値も低く見られ画材代も残らないという事が起こってしまいます。

【個展を黒字化するには】作家は会場にできるだけ在廊しよう

作家の在廊はどのような展示形態であってもかなり大切な状況です。

全部画商がなにもかもやってくれる場合でも制作者本人が会場にいる事に越した事はありません。

絵画作品は作品自体の魅力は必要ですが、他の既成の商品に比べてどんな人が描いたかの部分にも関心が持たれる事が多いです。

野菜の包装に「この人が育てました」やレトルト食品に「名店のシェフ監修」等と顔写真が貼られている事もその商品に感じる価値感や信用が上がる為と言われています。

作品を鑑賞する人たちも実際の制作者の口からしか話す事の出来ない、制作過程やコンセプト等の話を作品と共に聞く事ができます。

【個展を黒字化するには】話の引き出しを豊富に持っておく

作家在廊の内容と関係する話ですが、訪れた方にとってより興味を持ってもらえたり、関心を抱いてもらえる環境を目指す事が大切です。

作品だけの視覚情報だけに限らず、観た人の心に残るような文脈や奥行きを言葉で説明する事にも需要があると言う事です。

あくまで私の例ですが、一見動物をモチーフにした作品でも家族それぞれの干支が絵にされている「家族の干支絵シリーズ」や「誕生石シリーズ」等があります。

海外の人が絵を欲しいと思う時に比べて日本の人は特に作品一つに対する思い入れや意味合い等を大切にする傾向にあると言われています。

作品のみを観てもらう事だけでなく、リアルの場での展示だからこそできる事が重要になります。

最後に

今回は、「【初心者向け個展開催】無名の高校生が絵の展示会を黒字化できた方法を徹底解説」についてお伝えしました。

個展はほぼ全ての演出を制作側が行い様々なこだわりを持ったみせ方をする事が可能であり、ある程度の準備ができていれば難しすぎる事ではありません。

飾る事が目的な場合を除いて、展示の度に赤字になってモチベーションへも影響してしまうという方は多いと思いますので、方法の一つとして参考にして頂けられたら幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

プロフィール
この記事を書いた人

2006年3月生まれ幼少の頃より細密、極彩色な自分の脳内だけに存在する空想世界の絵をアクリル絵の具を主に様々な画材で1年に140点以上制作。作品サイズは数㎝のグッズから数ⅿの巨大アクリル画まで様々。高校1年生の時の個展開催以来二人展、グループ展等展示活動を続ける。ターナーアワード、Liquitex the challenge【小松美羽賞】等受賞多数。日々制作の幅は広がり続け、各地での展示、プロジェクトの実現を構想中

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