リアルな絵が下手でも画家としてまったく問題無い理由【ヘタウマ】

woman, art, creative 絵に関する話
アクリル画作品

こんにちは。画家の宮島啓輔です。

今回は、「リアルな絵が下手でも画家としてまったく問題無い理由【ヘタウマ】」のテーマでお伝えして行きたいと思います。

私は現在まで極彩色で細密な作品をあらゆる種類の画材を利用して現在までの十数年間、多数制作して来ました。その間、高校生の時の個展開催や作品を通して色々な人と会う事ができました。

その中で日本の絵の業界では基礎の一つとされているデッサンは全ての芸術活動の基本だと言う絶対的な節を所々に感じる機会が多々ありました。

たしかに基礎練習としてデッサンをする事でモチーフの観察力や再現力が養われ、人によっては絵のレベル向上に直結します。

しかし、実際に活躍されている画家の方を見たり作品制作をする上でデッサンが全ての基礎と言う考え方は間違っているように思うようになりました。

今回はこの部分を掘り下げて書いて行きたいと思います。

求められる絵はリアリズムだけでは無い

絵の世界における「良い絵」の定義や価値観は描く人と鑑賞する人の数だけ存在します。

デッサン含めたリアルな表現方法は数ある描き方の中のある程度方法やゴールが定められたやり方の一つです。

リアルに描く技術がそこそこ優れている作品があったとしても作品自体にとりわけ魅力の無いものであれば、普通の一言で片付けられてしまう事が多いです。

逆に技術的には不完全に見える作品でも独自性やインパクトのある方向に振り切っている方が評価が高かったり、観た人の心に刺さりやすい事もあります。

アウトサイダーアートと呼ばれるものやアボリジニアートのような西洋の正規の美術教育を受けていない作品はリアルな絵を描くという意味では不完全さはありますが、それ以上の独自性や魅力を高く評価されています。

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リアルな表現や既に行先の決められている技術力の向上も場合によっては必要ですが、自分の制作の上での筋を持って世界観の構築や作品の魅力の出し方に力を注ぐ事も重要です。

ヘタウマの美学

日本の水墨画などで有名な「ヘタウマ」のように技術的な完璧さを避け、独自の描き方を重視するスタイルは、一見欠点と見られがちな描き方のクセも魅力的なものに変えて表現してる事が多いです。

重要な事は決まった描き方に完全に沿う事より自分なりの作品の魅力の引き出し方や制作に必要な技術などを取捨選択して身に着けて行く事です。

自分だけの描き方やスタイルを持つことは活動する上で武器になる

このような自分だけの描き方のクセを作品に画風として投影できている作家は自分の他にライバルのいない土俵を作り出す事ができるので活動する上でもかなり有利に働きます。

草間彌生の水玉の表現や山下清の細密な貼り絵などが大きな例ですが

作品制作のこだわりや自分の強みをよく理解してそこに素直に従って表現することで自分だけの世界観を構築することができ、ブランド性も高めて行くことができます。

自分の絵柄を見つける方法

自分に目立った描き方のクセやこだわりがよく分からないと言う人でも完全な他作品の模写で無いある程度自分の力で描いた作品がある場合、文字や筆圧に個人差がある事と同じでその作品の中のどこかに自分だけの要素があるはずです。

そこで発見できた要素をより濃くして制作することで徐々に自分の型が少しずつ見えてきます。

最後に

画家として自分の絵を利用して活動して行く時場合、自分の活動する方向性での画力向上は必須になります。

自分の活動過程に必要であれば外部からテクニックや知識を吸収して、自分だけの作品世界観を構築して行くことが大切です。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

プロフィール
この記事を書いた人

2006年3月生まれ幼少の頃より細密、極彩色な自分の脳内だけに存在する空想世界の絵をアクリル絵の具を主に様々な画材で1年に140点以上制作。作品サイズは数㎝のグッズから数ⅿの巨大アクリル画まで様々。高校1年生の時の個展開催以来二人展、グループ展等展示活動を続ける。ターナーアワード、Liquitex the challenge【小松美羽賞】等受賞多数。日々制作の幅は広がり続け、各地での展示、プロジェクトの実現を構想中

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