【アクリル絵の具の使い方】鮮やかではっきりした細かい絵を描く方法

描き方

こんにちは。画家の宮島啓輔です。

私は現在まで極彩色で細密な作品を主にアクリル絵の具を含めた複数の表現技法を用いて多く制作してきました。

宮島啓輔 作品集はこちらから

上の写真のような作品制作に使用しているアクリル絵の具は幅広い表現が出来ます。

水を多く混ぜると水彩絵の具のような描き方ができ、盛り上げメディウムや乾燥を遅くするメディウムを混ぜると油絵の具のような表現も可能になります。

ほぼ無臭で乾くと耐水性になり速乾なのでかなり手軽で思い通りの表現が可能です。

今回は私の作風でもある「【アクリル絵の具の使い方】鮮やかではっきりした細かい絵を描く方法」についてお伝えして行きたいと思います。

目の細かい支持体に描く

作品の基盤になるキャンバスや紙などの事を支持体と言います。

キャンバスには主に細目、中目、荒目の3つに布の目の荒さによって分けられています。画材屋には中目が置かれているところが多いですが、品揃えの豊富な店は極細目なども置かれている事もあるので事前にネットショップ等で確認しておいても良いかもしれません。

既に下地が塗られているキャンバスを新たに自分でジェッソなどを塗って目の荒さを調節することもできますがより繊細な表現や小作品を描く場合は目の細いキャンバスに描くことで布の目を目立ちにくくできます。

また下地処理された木製パネルの使用も平滑でキャンバスより耐久性があり、布のようにたるまないので細密な表現に向いています。

作品細部の描き方

筆を使う場合は面相筆やナイロン筆など毛先の細かいものの使用が良いです。粗悪なものを購入しない限り、ヴァンゴッホなどの比較的安くで購入できるメーカーのものでも問題なく使用できます。

竹串を使用した描き方

大量に入って百円ショップなどで購入可能な

調理用として使われる竹串や爪楊枝は筆では出せないような表現ができます。

尖った先端の方を使って、点描のような小さく均一な点を打つことや

乾いていない状態で塗ったアクリル絵の具を煙のように渦巻やガサガサに削るなど一本あるだけで多様な表現ができます。

本来制作用に作られた製品で無いからこそのかすれや不均一な表現を生かした表現技法でもあります。

上の作品部分画像の花びらも竹串を使用して描いています。

この竹串を使って影をつけたり模様を描く技法は私の作品制作には欠かせない描き方の一つです。

これは筆のような絵の具を塗る感覚ではなく、直接掘り出したり、絵の具を置いて行くイメージに近いのでより明瞭ではっきりとした表現が可能になります。

鮮やかで彩度の高い作品を描くには

他の色との混色を進めていないチューブから出した状態に近い色の方がより鮮やかで彩度の高い作品を描く事ができます。

色は混ぜれば混ぜるほど黒に近づくので特殊な色が欲しい場合や微妙な表現をする時にのみ混色をします。

色々なメーカーのあるアクリル絵の具の中でも私の作品に多く使用しているリキテックスアクリル絵の具は色数も多く顔料濃度が高いのでかなり彩度の高い表現が可能なおすすめの絵の具です。

高級感がある発色の良い顔料が使用されているので混色しても他社メーカーより綺麗な発色ができます。

サイケデリックな世界観の作品を参考にする

カラフルで鮮やかな要素を持つ作風タイプは様々ですが

その中でも極彩色な世界観の代表格ともいえるサイケデリックムーブメントの作品は現在まで多くの画家やミュージシャンに影響を与えてきました。

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1960年代後半から幻覚剤の使用によっておこる幾何学模様の幻覚や体験を音楽やアートとして表現したムーブメントの事を指し、ビートルズや横尾忠則などが代表されます。

ベトナム戦争終結や規制が厳しくなって行く時代背景の変化に伴って姿を消して行きましたがその文化の存在は後世に大きな影響を残しました。

過去のサイケデリックアート作品から独創的な色彩感覚や世界観の影響を受けることができるかもしれません。

ビートルズのサイケデリック曲に着想を得て描いた作品

最後に

今回は私の作風の内容に焦点を当てたマニアックな内容になりましたが鮮やかで細密な作品制作の参考にして頂ければと思います。

200点余りの近作のほとんどをポートフォリオとして投稿しているInstagramはこちらから

最後まで読んで頂きありがとうございました。

プロフィール
この記事を書いた人

2006年3月生まれ幼少の頃より細密、極彩色な自分の脳内だけに存在する空想世界の絵をアクリル絵の具を主に様々な画材で1年に140点以上制作。作品サイズは数㎝のグッズから数ⅿの巨大アクリル画まで様々。高校1年生の時の個展開催以来二人展、グループ展等展示活動を続ける。ターナーアワード、Liquitex the challenge【小松美羽賞】等受賞多数。日々制作の幅は広がり続け、各地での展示、プロジェクトの実現を構想中

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