【有名芸術家・作品にまつわるエピソード集】誰かに話したくなる雑学を紹介

three crumpled yellow papers on green surface surrounded by yellow lined papers アートの歴史

こんにちは。画家の宮島啓輔です。

現在の日本では、美術館で世界から作品を集めた大規模な展示会の開催や学校の教科書などに様々な作家や作品が掲載されていたりと、

アートに触れる事のできる環境が整っているので絵に興味がない人でも一度は「有名作品」とされる作品に触れた経験があるかと思います。

西洋美術史だけを取り上げても「モナ・リザ」やゴッホの「ひまわり」など例を挙げるときりがありません。

このような「作品」が語られ、評価される時には、作品そのものだけでなく、制作背景作者の人物像作品に込められた文脈などの部分にも焦点を当てて評価される事が多いのです。

最近では、「偉人の意外なエピソード」のように語られる事は多いです。

特に芸術の分野には、表現者だからこそのクセのある作者や作品にまつわるエピソードがいくつも存在します。

この記事ではそんなアートにまつわるエピソードに焦点を当てて、絵を鑑賞する時に面白みが増すような話題をいくつか紹介していきたいと思います。

レオナルド・ダ・ヴィンチの遅筆エピソード

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モナ・リザ

世界一有名な絵画といっても過言では無い「モナ・リザ」の作者であるレオナルド・ダ・ヴィンチは、絵画だけも留まらず当時では考えられないほどの高度な研究やアイデアを様々な分野で残している事から、「万能の天才」とも言われています。

かなり多才だったダ・ヴィンチですが、彼の活動の特徴として未完成に終わったものが多く、芸術においてはかなり「遅筆」でした。

完璧主義な性格ゆえに多くの作品が未完に終わり、彼の手によって描かれた事が確認されている現存する絵画は約20点程とされています。

乾きの遅い油絵の具を薄く溶いて何層にも塗り重ねる描き方をしていた事や、自然科学や光学、技法など制作のための強いこだわりを持って制作していた事などが遅筆の原因とされており、権力者や王族などから依頼を受けても締め切りを守る事はほとんどありませんでした。

亡くなるまで数点の作品を手元に置いて手を加え続けたとも言われており、実際どの作品が完成なのかが曖昧であり、あの「モナ・リザ」も研究者によっては未完成とも言われています。

彼の遅筆は、単に手が遅いというよりも、新しいアイデアをどうすれば良くできるか?を徹底して探求していた結果なのかもしれません。

カラヴァッジョの殺人事件からの逃亡生活

1571年生まれのイタリアの画家ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョは大胆なリアリズムの劇的な表現で、バロック絵画の代表する人物です。

その才能と同じくらい有名なのが、警察に何回もお世話になるほどのトラブルメーカーだったということです。特に有名なエピソードは、1606年のローマにてカラバッジョが口論が激化し、決闘の末に相手を殺してしまうという事件を起こしてしまいます。

この事件で彼は死刑判決を受けますが、すぐにローマから逃れ、各地を転々とする逃亡生活を送ることになりましたが、逃亡中でも傑作を残し続けました。

最終的に恩赦を受けられると聞き、ローマに戻る途中、38歳で病に倒れ若くして亡くなりました。

スーツを着て作品制作をしたルネ・マグリット

ルネ・マグリットはベルギー出身の、サルバドール・ダリと並ぶシュルレアリスム(超現実主義)を代表する画家です。

現実と非現実を組み合わせた普通ではありえないような世界観を描いた作品が有名で、代表作には、「イメージの裏切り」や「ゴルコンダ」などがあります。

比較的リアルで丁寧なタッチの作風ですが、同じくマグリットは几帳面な性格だったと言われています。

代表的なエピソードとして、アトリエを持たなかったマグリットは日頃からスーツ姿とネクタイの整った身なりで自宅のキッチンにイーゼルを立てて制作していました。

絵の具でスーツを汚すこともなく、芸術家っぽさを感じさせない人だったのです。

多くの奇抜なエピソードを残したサルバドール・ダリ

サルバドール・ダリは先ほど紹介したマグリットと合わせてシュルレアリスム(超現実主義)を代表するスペイン出身の芸術家です。

超現実的な世界を描き、絵画作品以外にも舞台芸術や宝石デザイン、日本でも有名な飴のお菓子の「チュッパチャプス」のロゴマークのもとを制作したりなど多方面で才能を発揮しました。

柔らかい時計が描かれた代表作の「記憶の固執」は溶けたカマンベールチーズからアイデアを得て描かれたと本人によって語られています。

ダリは、「天才になりたかったら、天才のふりをすればいい」という言葉を残しているほど芸術家らしい奇抜な言動で注目を集めました。

ダリのトレードマークと言えば、ピンとたった髭ですが、この髭は水あめで固めていたと言われています。ダリのこの特徴的な髭をジョンレノンの妻で前衛芸術家のオノヨーコが売ってほしいとダリに頼んだ事があったそうです。

しかし、ダリはしっかり代金をうけとったにも関わらずオノヨーコが魔女で何か自分に魔術をかけようとしているのではないかと妄想し、実際には草を一本いれて送りました。

単純に考えると詐欺ですが、

その他にも

レストランで小切手の裏に少し絵を描いて、レストラン側が価値を感じて代金が引き落とされない事を予想して外食したり

カリフラワーを詰めたロールスロイスで会場にやってきたり

潜水服を着て講演会に登場し、空気が吸えなくなり死にかけたり

自分の著作を買ってくれた人に脳波のコピーをプレゼントする

等々奇抜な言動で知られています。

しかし、実際にはおとなしい人だったとも言われており、いくらかは芸術家としてのダリを演じていた部分もあるのかもしれません。

最後に

今回は、「【有名芸術家・作品にまつわるエピソード集】誰かに話したくなる雑学を紹介」のテーマで四人の作家のエピソードを紹介しました。

「アート作品を鑑賞する」というと、作品そのものに加えてその作者の人生や生き方、制作背景など、「文脈」の部分によって大きく受け取り方が変わってくる性質があります。

その関連情報などを知る事で、同じ作品を観ても感じ方に奥深さが出ると思います。

今回紹介したもの以外にも意外なエピソードを持った作家について知る事で今後記事にしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

プロフィール
この記事を書いた人

2006年3月生まれ幼少の頃より細密、極彩色な自分の脳内だけに存在する空想世界の絵をアクリル絵の具を主に様々な画材で1年に140点以上制作。作品サイズは数㎝のグッズから数ⅿの巨大アクリル画まで様々。高校1年生の時の個展開催以来二人展、グループ展等展示活動を続ける。ターナーアワード、Liquitex the challenge【小松美羽賞】等受賞多数。日々制作の幅は広がり続け、各地での展示、プロジェクトの実現を構想中

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