物の売り方には順番がある。個展を黒字化するための基本構造フロントエンドとバックエンドの設計

ここでは、絵の商品には順番があるという話を書きたいと思います。

特に重要なポイントで、絵の世界でまだ取り入れている人はそこまで多くない考え方なので、よく読んでおいてください。

それでは、本編に入ります。↓

繁華街を歩いていると、
「お兄さん居酒屋どうですか!?」と飲食店のキャッチに声をかけられることがあります。

東南アジアでも、日本でも同じです。

ただ、あれを好んで入る人は多くありません。
なぜか。

興味も信頼もない状態で、いきなり売られるからです。

むしろ鬱陶しいと感じるほどです。

これはアートにもそのまま当てはまります。

SNSで出会ったばかりの作家の作品を、
いきなり数万円で購入する人はほとんどいません。

つまり、画家であっても、この「売る順番」の部分を意識する必要があります。

特に絵画という価値を伝える事が他の商品よりも難しい形態であれば尚更です。

ここで、重要になるのが、フロントエンドとバックエンドという考え方です。

この言葉を聞いた事が無いという人の為に少し詳しく解説してみます。

フロントエンド

まずフロントエンドとは、まだあなたのことをよく知らない人が最初に触れる部分のことを指します。SNSの投稿やブログ記事、あるいは無料で配布するポストカードや、数百円程度のグッズなどがこれにあたります。ここでの目的は、利益を出すことではありません。

あくまで認知してもらい、知っている存在になり、そして少しずつ信頼や親近感を持ってもらうことにあります。

一方で、バックエンドは、その先にある収益の部分です。

原画作品の販売や受注制作、あるいは有料コンテンツなどがこれにあたります。

これらは数千円~数万円以上になることも多く、購入する側にとってはそれなりの判断が必要になります。そのため、フロントエンドである程度の信頼関係が築かれていることが前提になります。

つまり重要なポイントは、順番です。

いきなりバックエンドにあたる高額商品を売ろうとしても、多くの場合うまくいきません。まだ関係性ができていない状態での提案は、どうしても「押し売り」のように感じられてしまうからです。

今の時代は、特に何を買うかより先に、誰から買うかの時代です。

だからこそ、まずはフロントエンドで接点を作り、時間をかけて信頼を積み重ねていく。そしてその延長線上で、自然な形でバックエンドにつなげていく。この流れを設計することが、活動を継続させる上で非常に重要になってきます。

なぜフロントエンドで儲けてはいけないのか

では、ここまでにフロントエンドは、認知や信頼が主な目的であると書きました。

ここで少し勘違いしている人が多い話を書いてみます。

例えばポストカード。

よく個展の際に1枚100~300円程で販売する人がいます。

10枚売ると3000円ですね。

一見すると、手軽に売れる商品ですが、私はポストカードは、販売するよりも確実にプレゼントしてしまった方が良いと考えています。

色々な意見や開催の形態があるので一概には言えませんが、私のこれまでの感覚や私が方法論を伝えた方、マーケティング的にみても概ね間違っていないと思います。

このポストカード販売についても。フロントエンドバックエンドの法則に当てはめて考える事が出来ます。

一般的にマーケティング的には、

100円の商品を100人に売る方が、1万円の商品を1人に売るより難しい

という現実があります。

言い換えると、薄く広くファンを持つより、濃く狭いファンを少数でも抱えた方がよいという事です。

商売の世界で最も難しいとされている事は、新しいお客さんの獲得と言われています。

人は興味の無いものには例え数百円であっても全くお金は払いません。

その為、値段に関わらず、販売人数が増える=信頼構築のコストが増えるという事でもあります。

で、ポストカードに話を戻すと

繰り返しになりますが、私は基本的にはポストカードを配る方に回しています。

理由は明確で、

ポストカードを無料で配る事で、得したと感じてもらえる、印象が残る。手元に保存してもらえる可能性がある

と言う点です。

短期でみれば、低単価のポストカードを販売する事で、頑張って数千円くらいは稼げても。長期視点でみれば、興味を持ってやって来てくださった方たちにプレゼントをして喜んでもらう事は非常に価値があります。

100円ほどであれば販売をしてしまっても良いですが、「相手に得だと思ってもらう事」が一番の重要事項です。

前にも書きましたが、「利他の精神」が最も大切です。

もう少しイメージをしやすい例を出してみます。

よく繁華街を歩いていると広告の入った無料ティッシュを配られる事があると思います。

、また、スーパーの試食コーナーで、新商品の一口サイズのものが無料で食べられるという光景を見た事があるかと思います。

これらも、先述のフロントエンド・バックエンドの法則に沿った販売方法なのです。

ただ、話が逸れるので省略しますが、

海外で路上販売する際や、ポストカード販売が効果を発揮する時も状況によってはあるので、気になるという方は私に直接連絡を送ってください!

【私の成功例】フロントエンドとしての雑貨販売

もう一つの、フロントエンドの私の成功例が、ピンブローチです。

価格は、数百円~1000円程度で販売する事が多いです。

正直、黒字ではありますが、これだけでは大きな利益にはなりません。

毎年個展で多くの方にお買い求めいただいている商品のひとつです。

そして、これもフロントエンド商品のひとつです。

ただしここに重要な役割があります。

まず会場で新しく出会う方の殆どは、当たり前ですが作品は気になるけど数万円の作品は出せないという状態が多いです。

そこで、小さく所有してもらう

というステップを作ります。

1000円以内でれば購入してくださる方はたくさんいます。

そして、このピンブローチの「身に着ける」という特性によって、次の個展までに認知や作品への興味が時間をかけて発酵するわけです。

そして、結果として

原画の購入や紹介、リピート

に繋がるのです。

画家がやるべき設計について

ここまでをまとめると、

やるべき事は非常にシンプルです。

■ステップ構造

  1. フロントエンドで接触を増やす
  2. 信頼・親近感を積み上げる
  3. 最後にバックエンドで収益を頂く

■重要な考え方

  • フロントで儲けようとしない
  • バックだけで売ろうとしない

そして、フロントエンドの商品は無数に考えられます。

描く絵や画材によっても変わるので一概に言えませんが、私の場合は、「身に着ける美術館・小宇宙」というコンセプトのもと、改良を重ねて開発したピンブローチ作品にしました。

小物、コンテンツ、面白い有益な体験、配布物

等々が考えられます。

ただし全てに共通しているのは、

相手に「特」と「信頼」を渡す事です。

これが設計できると自然とバックエンド商品や個展開催の際に足を運んでくれるリピート率が上がります。

もしここまで読んで、

「自分の場合どう設計すればいいかわからない」

という方は、一度整理してみると良いと思います。

あるいは、具体的な構成については個別に私にご連絡頂けると、私のお答えできる範囲で対応させて頂きます!

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