カラフルな絵やイラストがまとまらない時の考え方

描き方

こんにちは。このサイトを運営している画家の宮島啓輔です。

宮島啓輔絵画作品

私はこれまでに主にアクリル絵の具を使用して、色鉛筆、ペン画、水彩画、切り絵様々な画材を使用して細密かつカラフルな作品を大小様々で年間数百点制作し続けてきました。

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宮島啓輔 作品集

他の記事でも紹介していますが、系統的にはサイケデリックアートや曼荼羅、民族的なものが私の画風に近いものと言えます。そのような色を多様した作風の作品の良さでもあり、観た人や場合によってはネックにも成りうる可能性のあるポイントが絵のばらつきごちゃごちゃしすぎているの部分になります。

私を含めたカラフルな絵を描く人の画風は、そのチカチカする複雑さやごちゃごちゃしているところが面白く、一番の良さでもありますが仮にそのような描き方ではない作風を含めて作品のまとまらせ方を少し意識しながら制作する事で絵の統一感に繋がる場合もあります。

今回は、「カラフルな絵やイラストがまとまらない時の考え方」のテーマで私自身が制作に使用する方法などをお伝えできればと思います。

同系色同士を大まかにまとめて配置する

作品がまとまらない時の原因のひとつに画面の部分それぞれの色が強烈すぎるというものがあります。それぞれの部分を小さく分けて取り出せば、インパクトがあって良い色や形をしていてもその情報量を画面全体に同じ密度で配置すると何を一番この絵で目立たせたいのかがわかりにくくなくなります。

たくさんの色を使った作品の中でも、青系、緑系、赤系のなどの近い色同士を大まかにまとめて配置する事で作品の中での大体のまとまりがわかりやすくなります。

私の作品シリーズのひとつに使用する色を青系に限定して描くものがあります。このシリーズの上の画像のような作品は全部青系でまとめて描かれていますが、このような近い色同士で描かれたモチーフや模様を大まかにまとめる事で、カラフルな作品でも似た色同士で集まったそれぞれが調和しやすくなります。

モチーフを強調させて絵に統一感を出す方法

背景との密度に差をつける

先ほども書きましたが、カラフルな絵にまとまりがなくなる最大の原因は画面の部分のインパクトが強すぎる事にあります。上の目次では色の配置についてでしたが作品の描き込み具合(密度)にメインのモチーフとその後ろにある背景との間に差をつける事で、よりメインであるモチーフの形がくっきりして際立ちやすくなります。

絵の構図や何を描くかにもよりますが、一点のモチーフを描く場合などはモチーフ自体は高密度に描き、背景は少し描き込みを落として余白を持たせる事でより主役に目が行きやすくなります。

モナ・リザにも使用されているこれと似た表現技法に、「空気遠近法」というものがあります。風景画などを描く際に大気の性質を生かして遠くのものほど輪郭がぼやけるように形を曖昧に表現技法です。私の作風はリアリズムを求めたものではないので、完全に同じ原理ではありませんがモチーフと背景に密度の差をつけることは、モチーフを際立たせるのにかなり有効です。

メディウムを使用して強調させる方法

アクリル絵の具だけでも描き方の幅はかなり広いですが、専用のメディウムを併用する事でより物質感が増したり、絵の具だけでは出せないような質感が出せるようになります。色々なアクリル絵の具メーカーからたくさんの種類のメディウムが発売されていますが、特にリキテックスが特殊なものも多く、質も高いかなといった印象です。

目立たせたいメインのモチーフを画面から半立体のレリーフのように盛り上げたり、周囲とは質感を変えたりする事でメインに目が行きやすくするようにコントロールができるようになります。

私の場合は、メインのモチーフをモデリングペーストなどで盛り上げたりする事で物理的にインパクトを出す描き方をしています。他にも砂や石膏のような質感が出せるものから絵の具がはちみつのように粘度が高くなるものまで様々な種類の商品が販売されているので実験的に購入してみて技法の研究をしてみるのもいいかもしれません。

↓特殊なメディウムについての記事

変わった表現ができるアクリル絵の具のメディウムの種類や特徴を紹介

プロフィール
この記事を書いた人

2006年3月生まれ幼少の頃より細密、極彩色な自分の脳内だけに存在する空想世界の絵をアクリル絵の具を主に様々な画材で1年に140点以上制作。作品サイズは数㎝のグッズから数ⅿの巨大アクリル画まで様々。高校1年生の時の個展開催以来二人展、グループ展等展示活動を続ける。ターナーアワード、Liquitex the challenge【小松美羽賞】等受賞多数。日々制作の幅は広がり続け、各地での展示、プロジェクトの実現を構想中

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