展示における支出の中で、展示・会場手数料の次かそれ以上に費用がかかるものがあります。
それが、「額縁費用」です。
大体、平均的にはどのくらいのコストがかかるのかを計算してみました。
私のよく行く画材屋さんの額縁の中で一番安い商品を目安にしてみます。
用意する作品点数を約30点~と仮定します。
F0~F20サイズのキャンバス作品が30点あったととすると、間をとってどんぶり勘定でF4号サイズ×30点とします。
F3号サイズの額縁は1点が3940円なので、合計118200円となります。
小作品が多い事を考慮しても、数万円の費用が額縁にかかる計算になります。
個展の開催コストを貸し画廊で計算すると、会場費、梱包費、運搬費、、等々いくつかありますが、その中でもかなりのコストが額縁にかかってしまいます。
この額は、なるべく費用を抑えたいクリエイターにとっては少し痛手です。
しかし、もちろん額縁にはたくさんのメリットがあります。
高級感、作品の保護、展示、インテリアとしての完成度などの点で、非常に効果的です。
では、今回の本題ですが、これらの額縁費用を抑える方法と考え方についていくつかお伝えしていきたいと思います。
額縁を付けない考え方
いきなりになりますが、額縁そのものをもう付けずに展示する
という考え方です。
先述の通り、額縁には作品の見栄えを保つと言う役割があります。
キャンバス作品などであれば、側面の釘部分や色の塗られていない部分を隠す役割ですね。
美大生やあまりこだわりを持たない人の展示では、釘部分がむき出しになっているのをよく見かけますが、私は個人的にはちょっと見栄えが微妙と思ってしまいます。
では、これを解決する方法には2点あります。
一つ目は、裏張りキャンバスを使って側面まで塗ってしまうというものです。
キャンバスは、側面に釘が打たれたものをイメージする事が多いですが、多くの画材屋さんには、裏面に釘が打たれ、側面がキャンバス地のものが販売されています。自分でキャンバスを張るときも同様です。木枠より一回り大きなキャンバス地で包み込むように張ります。
そうする事で、側面に絵の具を綺麗に塗る事ができるようになり、塗り残しが見えなくなります。
塗る色のアレンジによって、枠のようにする事もできます。
そして、同じ考え方のもと、二つ目は、
木製パネルを使うという方法です。
木枠に木の板が最初から張られており、自分でジェッソ(下地剤)を塗る事で絵を描けるようになります。
木製パネルは、紙を水張りして描く方法もありますが、直接描くこともできます。
キャンバスは、自分で磨いたり、新しく下地処理すると少しはましになりますが、布の目が目立ちます。細密表現がしたい方にもおすすめの支持体ですね。
下地を塗るのが少し手間ですが、少量の水と刷毛があれば塗る事ができ、発色がグンと良くなるのでおすすめです。
この木製パネルも同様に、側面まで塗りこむ事で、箱型作品のような立体感を感じる作品を見劣りせず作る事ができます。
私のアクリル画作品のほとんどは、この2つの方法で、額縁無しで制作・販売しています。

もし、額縁希望という人がいれば、追加で受注対応する事も可能です。
額縁無しの場合は、作品裏面に専用のネジ(ヒートン)と紐を通して展示可能な状態にしておく必要があります。
その他、素材で工夫する額縁なしの方法には、写真やポスターを薄いパネルに直接貼りつけたり、デジタル作品の場合はアクリル板に直接プリントしたりと、方法論はいくつか思い浮かびます。
額縁を安く手に入れる方法
ここまで、キャンバス・パネル作品は額縁が無くても見栄えよく制作する事ができると書きました。
ただ、紙の作品や額縁を使いたいという場合のために低コストで手に入れる方法をいくつか書きたいと思います。
100円ショップは、意外にも良い額縁を手に入れる事ができます。
本格的な額縁屋さんのものには、劣りますが、100円で手に入るクオリティとしては、小さい作品の額縁はお得です。
私は、手のひらサイズのカード作品の額縁にのみ、100円ショップの作品を使っています。
ポストカードサイズの作品であっても、ものによっては少し質の悪いものもありますが、見本展示用としては良い商品です。
そして、北欧家具で有名なIKEAも額縁が豊富です。
地域によって近くに無い事があるかもしれませんが、オンラインショップもあるそうです。
大きな店舗に行くと、高級感があり、しっかりとした額縁がL版サイズ~大きいものはポスターサイズまでかなりたくさんの種類が取り揃えられています。
私もほとんどの小作品の額縁はIKEAで購入しており、かなりおすすめです。
通常の本格的な額縁を比較的低価格で購入できるお店は、大阪難波にある笹部画材さんです。
関西圏と東京周辺の画材・額縁屋さん何店舗かに行った中で最もコスパの良いお店で、画材も驚くほどの価格で売られています。
額縁以外の展示方法あれこれ
・中古・リメイク
メルカリや人から譲り受けた額縁を使います。以外に廃棄に困っている額縁や絵を持っている人は多く、古着を購入する人がいるように、額縁にペイントするなどしてリメイクしてみましょう。
・自作する
有名画家の何人かはこだわって額縁まで自作する事もあったそうです。ホームセンターで木を買い、サイズを整えて貼りつけると仮縁のようになります。
・クリップ・ピン留め
ラフで軽い印象で、紙の作品などを展示した場合は、釣り紐で展示したり、壁に直接とめる方法もアリです。
・天井から吊るす(布・紙)
モビール作品で有名な展示方法です。聞いた事が無い方は調べてみてください。どちらかというと、紙の立体作品です。天井から紐で吊るし、空気の揺れで動くような紙のインテリアオブジェです。紙で作られた鳥や星、幾何学などを絶妙にバランスを保った状態で吊るすものです。


